Nepal気象事情
2004年7月20日
Department of Hydrology and Meteorology
- DGのShresthaさんとの話し合い
- 全国で職員は237人。パートの観測者は350人。
- 地震は別部局の担当
- 本庁に約80人,予報部門(空港にある)37人
- 現在のネパールDHMの緊急の課題は
- 短期数値予報の向上
- いずれは数値予報を導入したい
- 若い世代を育てるためにもモデルを使わせたい
- 集中豪雨
- 毎年のように主としてモンスーン期間中に日雨量300mmを越える事例がでる
- Department of Water Induced DisasterにはJICAの専門家が数人滞在中
- DHMにはFlood Forcasting Divisionが対応
- 1993年7月
- Kathmandu市の西北西約25kmのTistung市で400mm/9hの豪雨。雨は3日間振り続けた。
- Kathmanduでも大きな洪水被害
- 1000人以上の死者(Bagmati川流域?)
- (400mm/9hは測器の測定限界で,実際はもっと強い可能性あり)
- 集中豪雨発生機構の理解と予測が必要
- 降水システムが次々と移動してきて同じ場所で降水が続く型か
- 氷河湖
- ネパールには2000を越える氷河湖が存在
- 25氷河湖で決壊の危険性。実際130m以上の氷河湖が決壊して大きな被害が出た(?)
- (氷河の衰退・伸長には降雪に因る涵養,降水による融氷,気温などが関係しているはず。GEWEXのテーマ)
- 観測網について
- 3000m以上の高地にはSnow & Glacier Hydrology
Div.管轄の6地点しか観測点が無く,高地の観測点が不足していて充実が必要
- 遠隔地の観測点の管理は近隣の住民に委託
- real
timeでデータが取得できるのは27地点。SSBでデータを送信。うち15地点は通常Synop点(9)と空港Synop点(6)。
- Rawinsondeはやりたいが,受信設備の予算がつかない。維持は放球回数を柔軟に変化させて何とか対応できるだろう
- 無線伝送システムは150万ルピーかかるとの見積りがあり,あきらめた。遠隔地では携帯は通じないので,携帯を通じてデータ転送するのも
無理
- 温度(最高,最低)の観測地点は全国で105地点。1日2回観測
- 雨量の観測点は
- 337地点:計測棒を差し込んで測定する雨量のみの観測。1日1回?計測可能な最大積算雨量は400mmまで。それ以上だと貯水器か
らあふれる
- 68地点:温度観測も行う「気候観測点」。1日2回
- 22地点:農業気象観測点。1日2回
- 9地点:Synoptical観測点
- 6地点:Aero-Synoptical観測点(30分毎?に観測)
- ただし,Synop観測点は6ー18時のみ観測。自記雨量計があるので記録紙から1時間雨量を読み取り,デジタル化して保存してあ
る。
- 品質管理は,4つの地域センターに本庁と同じ品質管理ソフトを配付し,例えば2標準偏差以上の離れた値が出たら再検査を行うなどして
いる
- 日雨量を記載した気候資料は1セット(1年分?)R15,000
- 新たなプロジェクトが採択されたとして、観測機器の導入について
- 観測機器の導入は予算の大きさ次第だが、地上観測点を数点増やす程度は可能な範囲だろう。例えば、集中豪雨頻発地域にAWS設置など。
- 新規高額観測機器の導入は、ネパ−ル政府内での優先順位が高くならないので、ODAなどには乗りにくくなっている
- GEOやGWPがアクティブなプロジェクトを探しているので、それとの連携が有効か
- 観測システムの改善よりも、得られたデ−タをモデルなどでいかに活用するかも重要