ミャンマー・ベトナム調査旅行記
2004年4月25日ー5月1日
[4月25日]
- 7時半に起床。6時半に起きる予定だったが,睡眠2時間半では起きられなかった。はるかを1本遅らせて関空に到着。大半の人はチェックインが
終わっているとかで,3人掛けの真ん中の席しか空いていない。まあ,6時間弱のフライトだから大丈夫。
- 機内は満席。タイ人らしき団体さんが同じユニフォーム,同じかばんを持ってたくさん乗り込む。タイの経済復調という話は本当らしい。
- 予定通りバンコク・ドンムアン空港着。2時間ほど時間があったので,ミャンマーでするようにいわれたプレゼンのスライドを作っておく。これ
で,今晩は心置きなく休憩できる!
- ドンムアン空港で松本さん,井上さんと合流。あまり遅れもなく飛行機は出発。
- 隣の席にエキゾチックな女性が着席。パスポートを見たら日本人だった。ミャンマーに1年間のビルマ語研修留学中だとか。ビルマ文化を専攻して
いる大学院生。いや,たいしたものだ。夏休みの間,1ヶ月間も南アジアを旅行していたとか。パキスタンにもいっていたとかで,ますますたいしたものだ。
- ヤンゴン空港での入国もスムーズに終了。それにしても,飛行機は満席で,日本人の多いこと!日本語でのスチワーデスの案内があったのにはびっ
くり。
- DMHからの迎えと無事会え,ホテル(Highland
Lodge)へ。平屋建てで中庭に大きな木がある気持ちの良いロッジ。
- 町外れで不便ではあるが,近くに数件レストランもあるし,治安も悪くないしで問題は
ない。部屋はベッドの部屋と,シャワー&トイレの部屋。1泊15ドルだから,まあこんなもんでしょう。
- 夕食は近くのfood
centerへ。ほとんど英語が通じない。何とか食事のしたい意志を通じて注文する。しかし,思っていたのとは違うものが出てくる。これも一興。でも,
Myanmarビールは,なんか味がぼやけている。
- ホテルに帰ってビールを飲み直す。するとMyanmarビールがおいしい。どうやら先程の店のビールは変質していたようだ。熱いところで保存
していたのかな。飲み直しは中庭に出したテーブルで。風がほとんどなくてちょっと暑いが,蚊取り線香を出してくれたおかげかほとんど蚊もいなく,夜空もき
れいで,すごくリフレッシュする。
[4月26日]
- 午前中に予定していた局長との会議がドタキャンとなり,仕方ないので国1番のパゴダShwedagon
Pagodaにタクシーで出かける。1200Kなり。朝起きたときは高原の朝のようで気持ち良かったのに,どんどん気温が上昇。暑い。
水を持ってこなかったのを悔やむ。
- 11時過ぎにホテルに帰る。DMHの迎えが来ていたので,慌てて着替えをしてDMHへ。
- DMHで局長と面会。松本さんは約5年ぶりとはいえ複数回来ているので,局長を含め何人もの顔なじみ有り。地点の情報を聞き,もろもろの情報
を
交換し,雨量計配置のスケジュールの調整をすると昼食の時間。焼きそばの昼食を頂き,午後はDMHの各セクションの案内をしてもらう。
- 雨量計配置地点:北緯18度近くにきれいに並べてくれる。うまい地点に観測所があったものだ
- Gwa: 17d35mN, 94d35mE
- Tharrawaddy: 17d38m, 95d48mE
- Shwegyin: 17d55mN, 96d32mE
- 午後は各セクションを案内してもらったが,それぞれ別の建物で,どこもかしこもとにかく暑い。急いでいてやはり水を持ってこなかったので,と
にかく疲れる。まだ汗腺が開ききっていないのだろうか。露場の温度計を見たら41.5Cだった。日本人は皆初めての温度の体験。気象関係者として嬉しい
(?)経験ではあったが,やはり暑いものは暑い。ちなみに湿球温度は28C。湿度は大分低そう。だから何とかなっているのだろう。
- この冬は北部で気温が低くて雨や突風があり,南部は乾燥して暑かったそうだ。
- 寒気の進入により,4時間で10度C程気温が急降下することもあるらしい。
- モンスーン期間:デルタ地方では1970年代まで150ー160日間だったのが,最近では110ー120日間に減少。
- 天気予報番組は,DMH内のスタジオで収録・編集しテレビ局へ送っている。そのスタッフはすべて気象局の職員。予報官がきれいな服に着替えて
天気予報を解説している。
[4月27日]
- 午前5時30分ホテルを出,ジープでTharrawaddyへ雨量計を設置にいく。気象局へよって荷物と水を積み込む。途中で朝食。朝食を
とった店の向かいの道に,JRバスが駐車していた。その後気をつけて見ていると,やたら日本のバスと出会う。日本語の表示をそのままに再利用しているのが
面白い。
- 午前8時半,サイト着。気温32度。月平均最高温度38度。午前中に仕事を終え,昼食後に一休み。
- 13時には気温が40度に上昇!朝早くにホテルを出て午前中に仕事を終えておかなければ,とんでもないことになる。
- 帰りの道すがら,判明した日本のバスの会社名を列記しておく。琴電,近鉄,富士急,長野電鉄,京都市営,中部女子短大,横浜市営,東海バス,
三重交通,徳島バス,JR東日本,JR西日本,東北バス,岳南鉄道,西東京,京王,江ノ電,小田急,京成,新京成,北陸鉄道,北陸交通,成田空港交通,東
葉交通,名鉄,都営,神奈川中央,関東バス,宮城交通,千葉中央バス。皆さんよくご存じだ!
- 16時ホテル着。私は翌日ミャンマーを離れるので,すぐタクシーを呼んでもらい市場へ。土産物をいくつか購入。
- 夕食はホテルで作ってもらう。チキンカレー,キャベツの千切りマリネ,空心菜炒め。ビールばかり飲んでいるからか,それほどビールがおいしく
なく,水にする。
- 夜のうちに自分の分の精算をしておく。夕食,ビール込みで3泊53ドルだった。安い!
[4月28日]
- 午前6時過ぎ起床。松本さん達を見送ることができなかった。パッキングをして,郷土料理の朝食をとって7時半に出発。
- バンコクは曇り。ミャンマーとえらい違う。
- ベトナムへ向かう飛行機の中で見たら,積乱雲の頭が東へたなびいていた。上空は西風なので,まだ冬のモンスーンの中であろう。それでもバンコ
クでは雨が降るようだ。
- ハノイでは,気象局の予報部門と懇談:0.25度間隔,20層,32000格子点のモデルを8CPUのPC(1.7GHz,
AMD)で計算。3日予報に1時間かかっている。500G,DLT付きの記憶装置を使用。
- Tan Thanhさんは,VinhにAWSを置いて欲しそう。発展中の町だが災害もあって,監視を強化したいとか。
[4月29日]
- DaNangへ出発。昨日は層雲がほとんどだったが,今日は積乱雲があちこちにある。しかし,やはり上空は西風。
[4月30日]
- 午前7時,Hep Ducの雨量計観測点へ出発。ベトナム人4人と車に乗り込む。途中で例によって朝食。
- ハノイで行っているドイツモデルによる数値予報はダナンまで来ていない。まだ内部利用のみの段階のようだ。
- 4/30は対アメリカ戦勝記念日,5/1はメーデー,5/2は日曜,5/3は振替休日,というわけで,日本と同じような連休期間中に訪問して
しまったようだ。付合わせて申し訳ない。
- 観測点で雨量計の動作を確認。データを持ち込んだdesk-top
PCで吸い上げる。4月11日の驟雨がきちんと記録されていた。15:20から10分おきに6.5, 7.0,
5.0mm。貯留式の雨量計では24.2mmでやはり転倒枡が1〜2割少なくなっている。4月14日は転倒枡が31.5mm,彼らの雨量計が33mmだっ
た。
- 彼らの日雨量は,7LTを日界にしている可能性あり。要確認。
- 川に面した観測所で,川より数十m上にあるが,1964年には床上浸水,1992年にはすぐ下まで水が来た。川までの長い階段に番号が振って
あり,各階段の標高を測定しておき,どの階段まで水が来ているかで水面の高さがわかるようになっている。通常は25mぐらいまでだが,98年には
30.07mまで上がっている。
- 年降水量の記録は1999年で,5027.9mmだった。
- ちなみに,Hep DucとGia Thuyでは携帯電話が通じる。
- 作業後にRuou Cuoi(バナナワイン)をいただく。乾燥バナナを米焼酎に漬込んだ梅酒のバナナ版のようなもの。甘くておいしい。
- モデムでロガーデータを回収できないといっていたが,モデムとの連絡ケーブルをクロスケーブルでしていたことが判明。ストレートケーブルにす
るよう伝える。モデムを使っての通信は経験が無いようだ。果たしてこの指示でうまくいくだろうか?やはり,日本で接続・データ回収まで試験して,その状態
で渡さないとダメなのかもしれない。
- ダナンへの帰る途中に,日本人の名前を冠した学校があるので寄ってくれる。Junko
Takahashiの名前がついた小学校。事故死した若い娘さんの遺言で,両親と友人達が建設に尽力したそうだ。悲しい話だが,それぞれの国に相手の国
(個人)の良い思い出を刻んだよい話でもある。しんみりとした気分で帰途につく。
- 昼食はダナンへ着いてから。河辺のレストランで。昼食後はホテルで休憩し,近くの市場で土産を調達。相変わらず皆さんふっかけてくる。
- その夜は海辺のレストランで海産物尽くし。貝が大量に出てくる。大きな蛤のようなのも,小さな2枚貝もおいしいのだが,ちょっと生っぽいの
や,色のよくわからないのもあって気味が悪い。
[5月1日]
- 日本へ出発。昨夜の夜中に強い腹痛あり。貝が当たったのか?トイレに1度行っただけで,とりあえず収まったので,日本に帰り着くまで何ともな
いことを祈って,ホテルを出る。