SRHMCでの見学・会議内容(2004年3月15日)
- SRHMC (South Region Hydro-Meteorological Center)でセンター長代理に挨拶
- 地上観測は20kmほど離れた地点にある。ここには予報部門と管理が中心
- HCMCには地理学教室がある
- 高層観測点見学
- 当面1日1回の観測を3人の職員で実施。バイサラ製のデジコラは94年から実施。高層観測自体は62年からのデータがある
- 独自制作の電気分解装置で水素を生成,高さ4m直径2m程のタンクに貯蔵。圧縮していないのか,ゾンデ数発分の貯蔵らしい。
- ビルに囲まれたところに放球場がある。風が強いと大変。
- いくつかの波長の日射を古いロシア製の測器(M124)で観測して総オゾン量を毎時観測!
- SRHMCでの会議10〜
- Lanさんのプレゼン
- 450人の職員,18地域を管轄
- 大気or水文予報官10数人
- 大気,海洋,水文予報を担当
- ここには28人の職員(?),博士号,修士号を持つ職員あり
- 地上観測は80地点,高層観測1点,ドップラーレーダー1台(5月予定),衛星受信装置
- 気候の特徴:
- 3月と4月に放射量最大,11,12月に最小
- 日較差6ー7度
- 乾季でも湿度76ー77%:海から風が吹くからか?
- 雨期(夏のモンスーンより少し長い)に年降水量の約90%が降る。:中部〜北部と違う
- 雨期に二回の中断(10ー15日)が6〜8月にある
- 雨期の雨はシャワー性の短時間降水
- SWモンスーンの10ー20日前(4月)から雨が降り始める
- 南シナ海で12ほど低気圧発生,5〜6個がベトナムに上陸。南ベトナムには5年に1度ほど上陸:つまり,あまり台風上陸は大問題
では
ない。間接的に多量の雨量をもたらす!
- 12〜3月の北東モンスーン。この時期は海が荒れ,塩害が発生
- 10,11月はモンスーンの遷移期間
- 予報
- 短期予報,10日予報,1ヶ月予報,季節予報,台風予報,海況予報
- 短期予報は総観解析,中期以上は総観,統計,類似法
- 衛星画像,配信される数値予報プロダクト・気候予報,
- 改善点:南西モンスーンの予報(オンセット,強度など),数値予報の導入,全球気象,自動観測機器,1台のレーダーでは全域をカ
バー
しない(他は?),雨量観測点の不足(疎)
- 半径120kmのレーダー,管轄地域は500km以上,480kmの観測モードあり。
- 研究
- 夏のモンスーンの機構,ENSO,南シナ海の低気圧,梅雨と南西モンスーン,南西モンスーンとメコンデルタの洪水
- 共同研究可能なもの(?):アジアモンスーン,予報手法,アジアモンスーンと気候変動,予報の訓練
- 洪水について(別の女性のプレゼン)
- delta地域の標高0.4-4m,潮汐は数mあり!
- 毎年数百人が洪水・高水位時期に死亡。高水位時期は数ヶ月続く
- 松本さんのプレゼン
- GAME-II計画紹介,東南アジアの解析的研究の紹介,CEOPの紹介
- 各国でprojectを立てて自発的に動くことを期待していることを強調
- 昼食
- 隣のレストラン。元は水文気象局の建物だったのを貸し出しているとのこと。そのため,月給が上がったというけれど冗談?
- 結構小奇麗なレストランだが,50セントほど(17,000DNV)でランチできる。安い。
- 里村のプレゼン
- KAGI21の紹介
- 降水日変化の研究紹介
- 30分の予定が45分使ってしまった。反省。
- 井上さんのプレゼン
- 梅雨に関する気候変動:夏の前半と後半にわけて解析。前半はオホーツク高気圧の変化あり。後半は亜熱帯高気圧の西への張り出しの影響
あり。熱帯手気圧の進路にも変化あり。
- 塩谷さんのプレゼン
- snow-whiteとH-humicapとは12kmまで良い一致。しかし,成層圏に入るとNOAAとの間に差が出る。
- 今日の議論のまとめと将来共同事業計画の議論
- trainingが必要:奨学金をとって欲しい
- 数値モデルによる予報:データー同化の問題あり
- 中長期予報をしたい:世界の予報センターの結果を使ったほうが良い
- 50人程が落雷か竜巻で死亡(4〜7月)
- 50地点の雨量観測地点,1日2回観測。半分はボランティアベース。18地点は4回,その内いくつかは8回。
- 別刷送付:タンさんへ
- データ交換には公式の手続きが必要
MRHMCでの見学・会議内容(2004年3月17日)
- MRHMCに到着後,雨量計の台座の打ち合わせ。鉄製の柱に固定する方式ということで,現状をチェック。しっかり作ってあるので問題なし。た
だし,雨量計開口部を1.5mするのがベトナム標準なので,それに合わせてもらう。
- 露場にヴァイサラのAWSあり。2002年に設置,5分ごとに気象要素を測定&記録&保存
- 高層観測室見学。前回お世話になったので,和菓子のお土産を差し上げる。
- センターの説明(Director Tran Quang Chu氏)
- 9つの地域センターの一つ。6地域を管轄。
- 5部門。ネットワーク,予報・通信,環境,技術,管理の
- 15地上観測地点,25水文観測地点(地点により水位のみから雨量観測なども含むものあり),2海洋観測地点,7環境観測地点,18ボラ
ンタリー雨量観測地点,1自動環境ステーション
- 管区内に5地方サービスセンターがある。1レーダー(70km南にある)。1データーアーカイブセンター
- 松本さんのプレゼン(プレゼンはすべてタンさんの英訳つき)
- 里村
- 塩谷
- 所長代理コメント
- 予報課長
- 業務の一部として調査・研究もしている
- 大学出が多く,修士号のあるものもいる
- 予報には総観・統計手法を使用
- 北東季節風の影響予報にはハノイとダナンの気圧を使った指標を使用。
- 北東季節風時,750,850hPaの風が強いと雨ナシ,弱いと雨ありという指標も使用
- 8ー11月が雨期。10ー12月に最も雨が降る;北東季節風の影響が強い
- 議論
- 今日の午後,1地点(センターから50km)の雨量計の設置を行う。松本さんは時間があるので,残りの地点の設置(または地点の現況を
チェック)を行う
- 費用について
- 分担:モデム,固定台,メンテ費用は日本持ち,電話代はベトナム持ち
- 合意点は書類で確認する
- AWSデーターの使用:長官の許可が必要
- 雨量計設置地点の確認
- Hiep Duc 108d 07m E, 15d 35m
N 標高30.5m
- Nong Son 108d 02m E, 15d 42m
N 標高23.5m
- Giao Thuy 108d 08m E, 15d 51m
N 標高14.3m