第1回モンスーンフェノロジー研究会

2003年1月31日
東京大学生産技術研究所

10:10-10:15 趣旨説明 里村雄彦

セッション1 モンスーンの気象学的側面(座長:松本淳)
10:15-11:30 「研究紹介」
 松本 淳(20分)
 高藪 縁(5分):TRMMによる対流雲・層状雲降水割合,陸域・海洋の差
 立花義裕(5分):モンスーンが極域にもあるのが嬉しい。逆転層の世界分布
 荻野慎也(5分):逆転層の役割
 里村幹夫(5分):GPS気象
 篠田太郎(5分):中国中原の降水日変化
 鼎 信次郎(5分):タイ森林伐採による降水量,GAME-T WS,ロジスティクス
 議論:
セッション2 モンスーンの生態学的側面(座長:杉本敦子)
11:30-11:40 杉本敦子(京大生態研センター)「生態班の概要:水と植生のフェノロジー」
前年,前々年の降水が土壌水分や木々の冬への準備状況を通じて蒸散・光合成状況に影響
11:40-11:50 瀧澤英紀(日本大学生物資源科学部)「熱帯常緑季節林(コグマ)のフラックスフェノロジー」
KogMaでの植物生産量推定
11:50-12:00 西田顕郎(筑波大学農林工学系)(代理 杉本)「衛星による植生フェノロジー解析」
衛星から植生の季節変化・気候変動との関係が良く見える
観測地点の選定に有用か
12:00-12:15 林 泰一(京大防災研)「南アジア,東南アジアの降水などの気象特性,さらには伝染病との関係」
バングラ雨量収集・解析←→下痢疾患(年間8万〜10数万人)・マラリヤ等の変動との関係
12:15-12:30 大手信人(京大農学研究科)「GAME-T1でのフラックス観測:次のプロジェクトでのサイトのありようを考えよう」
GAME-T1のフラックス測定の様子,同位体観測
KogMa流水の化学(PH)季節変化←→生物活動変化:アメリカの変化(&その理論)と違う
12:30-12:50 酒井章子(筑波大生物科学)「植物からみた熱帯林の季節:東南アジア熱帯の一斉開花現象」
ボルネオ島ランビルでの調査,気象的には季節がないのにフタバガキの開花には季節性がある
土壌水分減少が一斉開花のトリガでは?
植物(一斉開花)を利用した近未来予測(中期予報)
 議論:
13:00-13:45 昼食

セッション3 モンスーンの人文・社会学的側面(座長:蔵治光一郎)
13:45-13:45 蔵治光一郎(東大農学生命科学)「人文社会班の目指すもの」
プロジェクトの新しいフェーズ:自然系から人文系への拡張,空間スケールの拡張
私は文理融合人生!
ローカルで具体的な対象に向き合う
MaeTia領域での水紛争
人文系の必要なデータを自然系の研究を通して提供
13:45-14:25 新井祥穂(東大総合文化)「沖縄から東南アジアへ─私の研究軌跡─」
石垣の農業開発事業
事業に農家が協力的でない:必ずしもメリットばかりではないと認識
現地に事業が定着するには(政策レベルより)非常に細かな環境に関する知識が必要!
14:25-15:00 永田淳嗣(東大総合文化)「東南アジアの経済発展と生態−社会システム変化−マレー半島,スマトラでの研究から−」
大規模開発が中断した広い土地
上からの開発と下からの開発:どちらでも成功の条件がある
折り合いのつけ方に(政治の範疇に入る前に)提言できないか
15:00-15:25 松本充郎(上智大法学)「環境法理論体系化の試み―財産権概念の再構成を手がかりとして」
コスタリカではなぜ森林保全ができるのか:観光資源,周辺国への技術輸出,水力発電
15:25-15:45 佐藤仁(東大新領域創成科学)「資源管理研究の現状と課題:社会科学の立場から」
開発と環境の両立条件は?貧困と環境破壊との関係は?
力関係の視点が資源管理問題に必要,「事実」は選別される→政策決定過程・決定速度の研究が必要→効果的なフィールド研究のありかたは?
15:45-16:25 平川幸子(広島大国際協力)「社会は不確実な科学情報にどう対処するか−科学社会学的政策決定論の試み」
審議会建議にこの会の趣旨に近いものを書いた:誰がやるのかと思ったが,やる人が出てきた!
科学的情報は中立でも,集団によって利益・不利益がある
正しくても信じてもらえるとは限らない,政策決定過程も重要
16:25-17:00 虫明功臣(東大生産研)「総合水管理/流域管理―日本の経験からアジアを見る」  
世界の「水問題」は乾燥の問題。アジアは多雨と水資源開発(需要との不均衡,水質汚染)の問題。
利水・治水・環境のバランス:水管理の統合化の視点:機能・地理・行政・水文・生態
17:00-17:45 休憩

セッション4 総合討論(座長:里村雄彦):議論のメモはこちら
17:45-17:00 

終了後,懇親会