大気場と降水のGD:地上フラックスとの関係性も
GAME-T1でわかったこと
- 地上フラックス
- EGAT
- 乾期にもそれなりに(顕熱の半分〜0.6mm/day)潜熱が出ている
- 雨期降水量の約八割の蒸散あり
- Kog Ma
- 雨期にRn大(LRnが減る)
- 乾期静穏時の樹冠上に2m/s程度の山風jetあり
- 流出,蒸発散の季節変化(乾期末に最大)は雨量に比べ非常に小さい(800mmの貯水量変動!)
- 雨量の約6割が蒸発散する(乾期末にはLE/Rn〜100%)
- Sukothai
- 乾期でも1~2mm/day程度の蒸散(地下水位〜6m),年約1000mm
- GD
- Rnと蒸散の増減はほぼ対応(地域差は,LRnやアルベドの差?)
- KogMa:夜は西よりの風が1年中吹いている,日中は季節変化有。風速は,雨期の夜に風が弱い
- KogMaの蒸散量は850と1200mmの間のどこか?流量の推算に誤差有?
- KogMaは特殊な地域?落葉と常緑樹林の差
- GAME-T_PILPS:観測地と陸面スキーム比較
- 山岳域:蔵治
- 最初の課題
- アジアモンスーンと山岳地形降水パターン
- 熱・水蒸気輸送
- 地形の影響
- 流域平均降雨量推定アルゴリズム
- 植生タイプと水文気象環境
- 分布型流出モデルによる解析
- 標高の高い所は降雨時間が長いために降水量が多い
- 地下貯留量の時間スケールは1年程度
- 地表面状態変化による蒸発散変化,季節変化は?
- 10年ぐらいのデータが欲しい
- レーダー・モデル:里村
- 雨期前半(SWモンスーン)のタイ北部の日変化はシステムの太陽同期した発生とその移動
- 雨期終息期(NEモンスーン)での陸上は(?),海上はシステムの移動
- 大規模:松本
- pre-monsoonの雨には(ひょっとするとon-setも)中緯度の擾乱の影響が大きい
- pre-monsoonでは,水蒸気は東風で供給されている
- 雨期の雨&乾期の雨とEl Ninoとの関係大(相関はフィリピン東沖の海水温とで大きい)
- 循環場・吹き出し・海陸対比がキーか
- GPS:里村
- 雨期:可降水量60mm程度で安定
- 乾期:1−2週間周期で変動大,気圧変動との相関に正(3−4月)と負(11−12月)の2種有。負は大陸からの冷気流出(冷たい高気圧),正は南からの暖湿気流か
- pre-monsoon:バンコクでは18時に可降水量最小,チェンマイでは6時頃最小:局地循環の影響?
- 同位体:大手・吉村
- 重い(軽い)雨の時:850hPaで西風が弱い(強い)
- オンセットと共にインド洋の水蒸気が入る(西風に対応?):劇的な変化,雨量の定義日とは10日程度ずれる
- モンスーン終息期には中国の水が入る
- 雨期の進行と共に陸上の水蒸気が入る
- 同位体から見たモンスーンの定義ができる
- GAME再解析の素蒸気フラックスに同位体分別を入れると,観測と良くあう
- ゾンデ:立花
- wind profiler:大野
- 300m高度の風日変化は,混合層発達による混合で説明可能
- 逆転層も観測可能
GAME-T1でわかったことのまとめ
- 標高と雨量の関係は降水時間で規定されている
- 乾期でも数mm/day程度の蒸散あり
- 地下貯水量は大きそう
- システムの移動が陸上の日変化を規定(少なくとも雨期前半のタイ北部)
- pre-monsoonやonsetと中緯度の擾乱,El Ninoと2ヶ月雨量に関係あり
- 同位体による気団の交代(?)とモンスーン
- 逆転層の存在
- 高度数百mでは混合層発達の影響大
GAME-T2ですると面白いこと(大気関連)
- 日変化の地域差,季節進行との関係。雨期終息期の陸上日変化機構(システムの移動でよいか?)
- 乾期から雨期への遷移に,乾期での活発な蒸発散の影響はないのか
- 中緯度との関連を追及,バングラ等との関連・比較:インドモンスーンとは大きく違う
- GPSデータの利用:高時間分解能を生かして,各地の逆転層形成・消滅時の解析に有効か
- 同位体オンセットと雨量オンセットの差(風と雨のオンセットの差)の意義・意味:違う年度では?
- 逆転層の果たす役割:熱収支による時間変化計算
- 台風の雨への寄与の程度,モンスーンと台風との関係
- 終息期の雨,インドネシアとの関係
広い興味をそそる科学的な疑問の提示が大切!!
- 仮説が大事
- サプレス(インドシナからの下降流)のブレーキング?
- タイは気候変動後の日本のプレカーサー?