GAME第2期キックオフミーティング

2002年7月31日
東京大学工学部1号館

09:30~
[安成]挨拶
  • PhaseIIはGAME PhaseIのデータ解析とモデリングを進めるのが目的
  • 観測はCAMPで行う
[WRAP]沖
  1. 小池「流出過程を組み込んだ陸面同化による水資源利用のためのダウンスケーリング手法の開発」
    • CEOPデータはUCARに溜まる,再解析(MPI)
    • NASAが陸面データ同化
    • 変分法をつかった4次元同化
  2. 沖「水資源予測精度向上への貢献 ーお題目と現実とのギャップー」
    • 地面の広域データは作成されたが,予測精度の向上にはつながっていない
    • 気候モデル研究者や水資源予測研究者もいなかった
    • 35年教育をして5年予測のANN(Artificial Neural Network)(SST, SOI etc)で1ヶ月チェンマイ雨量がかなりよく合う!
    • Global水資源アセスのアンカーポイントとしての日本とタイでの地域研究
    • アジア域0.1度格子での水需給アセス
  3. 議論
    • 1ヶ月陸面予報(?)の精度を10%にするのは3年では無理
    • 水資源予測を本気でするのか
    • 陸面データの充実による雨の予測精度の向上
[WEBS & 再解析]増田(Water abd Energy Balance Study)
  1. 増田「GAME水・エネルギー収支の総合・これまでの成果と今後の方針」
    • チベットの地表面熱・水収支(徐)
    • 大気柱のエネルギー収支:点の計算と面計算とでは合わない
    • GEWEX WEBSに向けて
      • kame再解析と陸面モデルへのforcingとしての陸面データの提供
    • GAME WEBS II
      • 作業グループと幅広い研究会の2本立て
      • 地表面フラックスを中心とした総合(全球評価のためのデータの評価&作成者へのfeed back)
      • 大気エネルギー収支の総合
  2. 山崎「GAME V1.5の全球水収支とV1.1,GANAL, NCEPとの比較」
    • 水蒸気収支に100mm/month(3mm/day)の見かけの残差がある:東太平洋,アラビヤ半島など
    • 中高緯度で降水量が過小,熱帯・亜熱帯で過大。全体にNCEP, GANAL, ECMWFより降水量はより良い
    • ベトナムとチベット高原で偽の高気圧がでている。ベトナムの方は15N以南なので,風は独立計算されていて風への影響はないはず
    • 長期再解析の中で試験として解析をし直すことはあるかもしれないが,そうでないと長期再解析(解像度2倍)のみになる。
    • 3次元客観解析
[モンスーンシステム]松本
  1. 松本「GAMEによるモンスーンシステムの理解の進展と今後の課題」
    • インドシナ半島モンスーンの特殊性
      • 5月にインドシナ・南シナ海で降水開始→インド・梅雨→西太平洋
      • オンセットにおける中緯度との相互作用の重要性
      • プレモンスーン期の逆転層が重要か?
    • 他地域との関係
      • 梅雨とチベットとモンスーンの関係
        • 大陸内部の低圧部の強化で,中国での南風が強化され降水
        • チベットでの日変化擾乱の移動と梅雨前線の強化
    • タイ9月で降水量300mm→200mmに減少:一般風の弱まりが陸面影響
    • 水熱収支による陸地の役割の解明
      • 日変化の役割,他大陸・海洋との比較
    • 中緯度との関係:プレモンスーンの寒気の南下の影響
    • いろんな地域で,降水と陸面変化の関係が違う
  2. 議論
    • チベットで土壌水分と積雪10年分作成されたので,活用して欲しい(安成)
    • インドシナプレモンスーンの雨と接地逆転層に集中するのはどうか(植田)
    • プレモンスーンの鉛直循環が面白い(増田)
    • 大陸スケールでの境界層の時間変化(安成)
    • 季節内変動(久保田)年々変動(篠田)
昼食

13:15~
[地表面・ABL過程&AAN]杉田
  1. 杉田「GAME PhaseIでの地表面フラックスに関する研究」
    • GAME-IIで必要な研究
      • 他地域の陸面過程の比較研究
      • 多地域のデータを使った研究
  2. 檜山「GAME PhaseIでの大気境界層にかかわる研究」
    • 各地域でそれぞれ結果有
    • 今後必要な研究
      • AANを利用したモデル検証と陸面過程
      • 再解析データを利用
      • 境界層の地域間比較with radio sonde
      • 雲・降水プロセスとのリンク
    • WGは1年1回ぐらい集まりたい,meetingは学会セッションで
  3. 議論
    • 収支が閉じない問題は?(高薮):10%程度のところでは閉じている
    • profilerなどのデータも利用すれば(山中)
    • 放射・エアロゾルグループとの交流を(三上)
[雲・降水過程]上田
  1. 上田「梅雨前線帯の豪雨の発生機構と予測」
  2. 議論
    • 降水システムの気候学が必要
[モデリング]里村
  1. 佐々木「Diurnal variation of water vapor content over the Tibetan Plateau during the post-monsoon period in 2000 - comparison between GPS observation and RAMS simulation」
    • 夕方に可降水量が急上昇
    • ヒマラヤの峰から可降水量の多い気塊が移流
  2. 議論
    1. Phase-Iでわかったこと
      • チベット
        • 水蒸気量の日変化には局地循環が卓越:ゾンデ観測を面代表とするにはバイアス有
      • HUBEX
        • 篠田,坪木:梅雨前線への雲の入り込み・発生・発達と陸面過程との関係
      • Tropics
        • 鼎:森林伐採と9月の雨量減少との関係
        • 鼎:インドシナ半島周辺の海水温とインドシナ半島モンスーンオンセットとの関係
        • 里村:移動するシステムが日変化を支配
    2. Phase-Iでやり残したこと,IIで行うべきこと
      • 全球モデルでの研究?
      • 4次元同化
        • 領域
        • modelerは自分自身の初期値境界値作成のためにはおこなうだろう
        • 人のためにそれだけの労力をする余裕はない?領域4次元同化の科学的意義・貢献?
      • 地域比較
        • 組織的な推進?
        • 同じモデルを用いて比較することの科学的意義?他人のモデルの他地域へのチューニングには興味がない
        • 面白い現象に対して,多地域に使用モデルを適用することは行うだろう:それを通じてモンスーンの理解を図ることは有用
      • meeting
        • いろんな過程の問題があること,結果が出ているphaseなのでモデルだけの会議は有効でない
    3. 議論
      • 98年オンセット・季節進行再現をぜひ積極的に行うべき(安成)
      • 全球モデルでオンセット仮説検証(沖)
      • 木本,鬼頭グループとの連携:GAMEを意識せずにやる(木本)
      • 領域モデルでの再現性を各地域で
      • 季節レベルの予報可能性を検証すべき
      • 50kmレベルの再解析が必要
[シベリア]大畑
  1. 大畑
    • モデルによる検証がまだ行われていない
    • シベリア3地域の共通性と特殊性
    • MAGS-GAME共同研究
  2. 議論
    • 再解析データを使った陸面水収支季節変化は観測に大分近い
    • 航空機観測を衛星のground truthとした研究を予定
    • データの使用は可。officialな公開日程は不明
[総合討論]安成
  • WRAPは中国とタイだ!(安成)
  • WEBS:放射を含もう
  • 再解析データ(山崎)
    • 改善点は多いが改悪点も有。海上はボーガスを入れたのでver1と大きく違う
    • 植生は格子点ごとに決定
    • 大きな成果なので大いに宣伝すべき(木本)
    • 1年分欲しい(増田,安成)
  • 雲・降水
    • 比較雲降水システム研究を(安成)
  • モデリング
    • HUBEXでは4次元同化を計画・実施中
    • 陸面モデルは?(増田)
    • グループとしての活動・coordinateは続けて欲しい
  • 同位体グループは杉本氏をcontact personに
  • データカタログは整備しておく
  • ゾンデデータのフォーマットがばらばらなので統一する必要(檜山)